不定詞の用法・使い方に疑問があるなら…
英語を習得するうえで「不定詞」を習得すると、一気に表現の幅が広がります。しかし、不定詞を学習するなかで、「不定詞って?」「動名詞とどう違うの?」「どんなときに使うの?」とさまざまな疑問が生まれるトピックでもあります。
今回は不定詞の基本的な用法紹介します。不定詞はさまざまな使い方があるため、基本の用法をしっかり使えるようにしてから、他の表現や用法を使い方を覚えていくのがおすすめです。
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Toggleそもそも不定詞とは?
不定詞を覚えるとき、まず覚えておきたい点が、不定詞には「to不定詞」と「原型不定詞」の2種類があります。
中学校などでまず教えられるのが、名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法を持つ「to不定詞」です。原型不定詞は、知的動詞と使役動詞と使われます。いずれも不定詞ですが、使い方が大きく違うため分けて覚えていきましょう。
to不定詞の3つの用法
to不定詞は、「to」のうしろに動詞の原形をつけた準動詞です。準動詞は、動詞の意味は持っているが動詞ではなく、動詞を名詞・形容詞・副詞の働きをします。不定詞は動詞ではないため、主語が一人称・三人称、単数・複数に関係なく変化しません。
名詞的用法=~すること
形容詞的用法=~するための
副詞的用法=~するために
「3つもあるなんて、どう使い分けるの?」と不安になる人もいるでしょう。しかし、3つの用法のうち、「~すること」と訳せる名詞的用法、直前が名詞である形容詞的用法は、簡単に見分けることができるため、いずれの用法か悩んだ場合はたいていが副詞的用法です。
名詞的用法
to不定詞の名詞的用法は、動詞が名詞として働く用法です。名詞としての働きを持つため、主語・補語・目的語として使うことができます。日本語では、「~すること」と訳されます。
To play tennis is fun.「テニスをすることは楽しい」
It is my dream to be a doctor.(形式主語)「医者になることが私の夢です」
My dream is to be a singer.「私の夢は歌手になることです」
My hobby is to play basketball.「私の趣味はバスケットボールをすることです」
I want to eat something.「何か食べたい(何か食べることがしたい)」
We decided to travel in US.「私たちはアメリカを旅行することを決めた」
形容詞的用法
to不定詞の形容詞的用法は、動詞が形容詞として働く用法です。形容詞は名詞を修飾する(情報の追加)特徴を持っているため、to不定詞の形容詞的用法でも「形容詞 + to不定詞」の型で使われます。日本語では、基本的に「~するための」と訳されます。
I want something hot to drink.「何か冷たい飲み物が欲しい(何か冷たい飲むためのものが欲しい)」
I have a lot of work to do.「すべき仕事がたくさんある(するための仕事がたくさんある)」
副詞的用法
to不定詞の副詞的用法は、動詞が副詞として働く用法です。副詞は動詞を修飾する(情報の追加)特徴を持っているため、to不定詞の副詞的用法でも動詞を修飾します。日本語訳では、基本的に「~するために」と訳されます。ただし、修飾する動詞によって目的・結果・感情の原因・判断の根拠の4つに分けることができます。
I’m study English to go on a working holiday.「私はワーホリに行くために英語を勉強している」
この例文の副詞的用法は、「勉強する」という動詞に対して、「ワーキングホリデーに行くために(目的)」という情報を追加しています。
He grew up to be a company president.「彼は成長して会社の社長になった」
この例文の副詞的用法は、「成長した」という動詞に対して、「社長になる(結果)」という情報を追加しています。
I’m happy to hear the news.「その知らせを聞いて嬉しい」
この例文の副詞的用法は、「嬉しく思う」という感情の動詞に対して、「その知らせを聞いて(感情の原因)」という情報を追加しています。
She must be a genius to solve the problems.「その問題を解くなんて彼女は天才に違いない」.
この例文での副詞的用法は、「解く」という動詞に対して、「彼女は天才に違いない(判断の根拠)」という情報を追加しています。
原形不定詞
原形不定詞とは、toを使わず、動詞の原形をそのまま使う不定詞のことです。原形不定詞は、助動詞・知覚動詞・使役動詞の後に使われる決まりがあります。知覚動詞・使役動詞と使うときは、必ず目的語が必要となります。
助動詞 + 原形不定詞
知覚動詞 + 目的語 + 原形不定詞
使役動詞 + 目的語 + 原形不定詞
助動詞 + 原形不定詞
助動詞とは、can, will, mustなど、動詞の意味を変化させる言葉です。助動詞の後の動詞は、人称や単数・複数を気にせず、原形で使うことは広く知られているため、あえて原型不定詞と覚えている人は少ないでしょう。
I can play the guitar.「私はギターを弾ける」
I will go to shopping next weekend.「次の週末に買い物に行く予定です」
知覚動詞 + 目的語 + 原形不定詞
知覚動詞とは、見る(see, watch)・聞く(hear, listen to)・感じる(feel)など感覚に関する動詞です。原型不定詞を使うケースでは、知覚動詞の後ろに目的語を置き、その後ろに動詞の原形を置きます。ただし、受動態の文では知覚動詞の後ろであってもto不定詞を使わなければなりません。
I saw her play with her family in the park.「私は彼女が家族と公園で遊んでいるところを見た」
I heard a baby cry.「子どもが泣いているのを聞いた」
使役動詞 + 目的語 + 原形不定詞
使役動詞とは、have, let, haveなどの「人に~させる」「~してもらう」という意味を持っている動詞です。使役動詞として使うケースでは、使役動詞の後ろに目的語を置き、その後ろに動詞の原形を置きます。
Our teacher made Mike read the book.「私たちの先生は、マイクに本を読ませた」
Let me know the result.「私に結果を知らせてください」
不定詞と動名詞の使い分け
不定詞を使ううえで、特に悩むポイントが動名詞との使い分けでしょう。不定詞の名詞的用法と動名詞はいずれも「~すること」と訳すことができますが、前に置く動詞によっては不定詞を使うか・動名詞を使うかが決まっているものもあります。
to不定詞と動詞の使い分け方について確認しましょう。
不定詞だけを目的語とする動詞の例
decide (決心する) |
refuse (拒む) |
promise (約束する) |
care (したい) |
want (したい) |
hope (したい) |
learn(学ぶ) |
agee(同意する) |
offer (しようと申し出る) |
動名詞だけを目的語とする動詞の例
imagine (想像する |
admit(認める) |
stop (やめる) |
finish (終える) |
consider(よく考える) |
enjoy (楽しむ) |
practice (練習する) |
avoid(避ける) |
give up (諦める) |
後ろに続くのが動名詞か不定詞かで意味が異なる動詞
動詞によっては、後ろに続くのが動名詞なのか、不定詞なのかで意味が異なるものがあります。主に、不定詞は未来のことを意味し、動名詞は過去のことを意味します。
不定詞 |
動名詞 |
forget to不定詞(~することを忘れる) |
forget ~ing(~したことを忘れる) |
remember to不定詞(~することを覚えている) |
remember ~ing(~したことを覚えている) |
stop to不定詞(止まって~する) |
stop ~ing(~するのをやめる) |
try to不定詞(~しようと試みる) |
try ~ing(試しに~してみた) |
まとめ
今回は、to不定詞と原形不定詞について紹介しました。不定詞はさまざまな使い方や表現があり、混乱することもありますが、まずは基本の用法を覚えていなければ理解できません。今回の記事を参考に不定詞の基礎をしっかり覚えましょう。